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2011年を振り返って
今年も残り1日となりました。恵比寿ガーデンプレイスでは、クリスマスが終わった今も、バカラのでかいシャンデリアが燦々と輝いています。

今年は社会的にはもちろんですが、個人的にも、いろいろなことが重なった年でした。やはり震災のインパクトは、被災者ではない私にとっても大きかったです。

3月11日、1階のコンビニでメロンパンを買って18階にあがって、「さあ、昼飯を食おう」と思ったところで突然の大揺れ。大型船に乗っているかのような大きな揺れで、天井の板が落ちてきたり、悲鳴があちこちであがったり。。私は咄嗟に「火事」を警戒しましたが、地震で、津波と原発がこれほど大きな問題に発展するとは考えもしませんでした。恵比寿ガーデンプレイスの中央広場が、不安と恐怖の混じった顔の人で溢れ返っている様子は忘れられません。その後、被災地の惨状を見たり、聞いたりするにつけ、自分の無力さを痛感する日々が続きました。

上半期は、やはり自粛や節電の影響もあり、企業も個人も、活動が控えめだったような気がします。それでも毎年6月に開催されるShort Short Film Festivalで、CGクリエイターの大森清一郎さん、俳優の佐藤浩市さん等、才能豊かな方々と復興支援のためのメッセージフィルムを作ったことは、難しい挑戦でもあり、大きな苦悩を伴うものでしたが、良い経験をさせていただきました。また、プロデューサーとして参加させていただいた劇場映画「見えないほどの遠くの空を」も、震災後は試写会を急遽中止にしたりしましたが、結果的に無事公開でき、ホッとしました。
この非常時に、エンタテインメントに出来ることは何か・・・業界の方々は皆さん悩み抜いただろうと思います。

下半期になって、世の中も落ち着いて、いろいろ動き出したのか、新規プロジェクト等のご相談もあれば、紛争、揉め事のご相談を多くいただきました。おそらく揉め事も、上半期は自粛しようという心理的な抑制が働いていたんだと思います。
11月、12月はいろいろな案件が集中して、自分のキャパを超えるぐらいの分量のご相談をいただき、恥ずかしながら気持ちの余裕を失いかけました。また、2ヶ月で8件のセミナーや勉強会で講師をさせていただき、その準備にも追われて想像以上にしんどかったですが、大変勉強になりました。

いろいろありすぎて、「ああ、あれも今年だったか」と思うほど、1年間にいろいろなことが凝縮された年だったように感じます。原田芳雄さん、市川森一さん、森田芳光さん、杉原輝雄さん等、エンタテインメント&スポーツ界の「巨星」が亡くなられるケースが、例年より多かったようにも感じます。

来年もいろいろなプロジェクトが公開されます。
2月は「51 世界で一番小さく生まれたパンダ」、「はやぶさ 遥かなる帰還」、3月には「此岸、彼岸」という、アルツハイマーの母親を題材にしたノンフィクション&ヒューマンドラマ映画も上映される予定です。
また、アメリカから新しい音楽配信サービスが日本でローンチすることも予定されています。
(私は全く関係していませんが・・)1月からの大河ドラマ「平清盛」も期待しています。我が四宮家のルーツは、村上水軍の流れを組む、阿波讃岐(今の徳島県、香川県)の四宮家、要するに、瀬戸内海の海賊です(笑)。「海賊から天下を制した男」、平清盛を松山ケンイチさんがどう演じ切るか、大変楽しみです。
規模の大小もありますが、「映画のチカラ」「音楽のチカラ」、そして「エンタテインメントのチカラ」を、私はしょせん弁護士ですが、来年も信じて頑張っていきたいと思っています。

最後に、手前味噌ですが、、復興支援のためのメッセージフィルムを改めてご紹介させてください。タイトルは「GET UP」。
「心や、体に傷は残っても、希望が全て闇に飲み込まれていはいけない」という佐藤浩市さんからいただいたメッセージを胸に、来年も、自分に出来ることは何かを模索していこうと思います。
http://youtu.be/6Wct8HJFYeg

今年一年、ご支援、ご指導いただいた皆様、本当に有り難うございました!
来年も、どうぞ宜しくお願い致します!

弁護士 四宮隆史
投稿者 E&R | PermaLink | コメント(0) | トラックバック(0)
知的財産戦略本部 コンテンツ強化調査委員会第5回
4月23日(金)、知的財産戦略推進本部にて「コンテンツ強化専門調査会」第5回が開かれた。
 
まずは、「権利制限の一般規定(いわゆる「日本版フェアユース」)」に関する現状報告が文化庁著作権課課長からあり、さらに、放送番組における映像実演の検討ワーキンググループの経過について座長の末吉弁護士から報告があった。
 
日本版フェアユース規定については、より詳細な議論が進められていることは分かったが、「パロディ」の取扱など個別の問題については「必要に応じて個別規定の改正・創設により対応することが適当」との見解が示された。
当然、いきなりの法改正で全ての事案が解決されることなど有り得ないのであって、個別の対応が必要なことは間違いない。しかし、「フェアユース」を認めた裁判例が一例もない状態で、「一般規定」を成文化することには、やはり不安を覚えざるを得ない。法制度化する上では、なるべく多くの事例を包含するようなガイドラインの策定を同時に行うことも重要課題となるだろう。
 
「放送番組の二次利用」における権利処理に関しては、まだまだ問題は山積みのようであったが、末吉弁護士は、「各権利団体が同じテーブルに乗ったこと自体が前進」と述べていて、まさにその通りだろうと思う。各権利団体が全体利益のためにどこまで譲歩するか・・・今後の前向きな議論に期待したい。
 
すでに各調査委員会等を踏まえて、「知的財産推進計画2010」に盛り込むべき事項は、ほぼ固まってきている。
本日の「コンテンツ強化専門調査委員会」では、「知的財産推進計画2010骨子」にすでに記載されている「コンテンツ特区」の設置と、「コンテンツ分野に関する国際標準(プラットフォーム)の獲得を通じた競争力強化」の2点を中心に議論が行われた。
 
まず、「コンテンツ特区」については、「総論賛成」であることは全委員の一致するところのように見えたが、各論ないしは具体論については各委員から懸念点が指摘された。
 
「コンテンツ特区」のイメージ図が配布されたが、そこに「著作権や商標等の調整を特別に円滑化」という項目があった。当然ながら、委員の中から、「特区では著作権フリーという趣旨か?」という質問が出たが、事務局は、「あくまでも特区が、権利者と利用者の権利処理の調整を行うことをイメージしている」と回答。「それでは、特区は、権利者と利用者の仲立ちをするだけにならないか?」という指摘があり、委員全員が苦笑い。
角川会長から、「あくまでもジャストアイディアだが、一日、コミケのような場を設けて、その場で提供された著作物は自由に使って良い、というものがあっても良いのでは?」という提案が出たが、当然、法律の専門家である中山教授からは「なかなかそう簡単には行かない。著作権法の改正まで見据えないといけない」という、やや高所からの指摘が出て、角川会長が「いや、あくまでもジャストアイディアなので・・・」と苦笑い。
 
私も、あくまでも物理的・時間的に制限をつけた上で、「ライツフリー」の機会を設けることは「コンテンツ特区(クリエイティブ特区?)」の特徴としてはアリではないかと思う。逆に、それぐらいの思い切った試みがなければ、「特区」とする意味があるのか?という気もする。
 
また、資料には「資金的手当は基本的には前提としない」という記載があったが、デジハリ杉山代表からも、「3D映像をクリエイターが制作するためには、莫大な費用がかかる」という指摘があったように、コンテンツ開発にとって一番のネックは「制作資金」であり、その「制作資金をどう回収するか」を考えて、結果的に、制作に踏み出せない、というプロジェクトが数多く存在する。「特区」である以上、一部の企画やコンテンツでも構わないが、資金的な手当があることこそが「特区」に優秀なクリエイターやプロデューサーを呼び込む強力なインセンティブになるはずだ。
 
さらに、ショートショートフィルムフェスティバル代表の別所哲也氏から、「特区の成果をどのような指標で判断するのか?成果目標が明確でなければ発展性がないのでは?」という指摘があった。コンテンツ以外の構造改革特区等は調査委員会を設けて評価をして、特区から全国区へ、という流れがあったようだが、わかりやすい指標のある対象(例えば、技術的な実施の可否が明確なもの)であれば良いが、「コンテンツ」という曖昧な対象の場合、確かに「成果」を図るのは非常に難しいだろう。
加えて、別所氏は、「インプット(制作)」と「アウトプット(配信、配給)」をごっちゃにしては具体論が進まない、と指摘。「制作環境を整備する」ことを目的とする特区なのか、すでにあるコンテンツを「配信する環境を整備する」ことを目的とする特区なのか、このあたりも明確にしなければ、「理想郷」の構想だけで終わってしまうだろう。
 
もう一つの議題の「プラットフォーム」の問題。
こちらは、意見交換の限りにおいても、委員間での知見レベルや経験則の差が如実に現れていた。
ソニーコンピュータの九夛良木氏が、日本のウェブサービスの大半は、ホスティングサーバとして米国をはじめとする海外のサーバを利用しており、日本のコンテンツに関する情報(個人情報も含む。)が海外のサーバに蓄積されている現状を改善しなければいけない、と提言。
デジハリの杉山代表も、コンテンツ関連の設備コストが圧倒的に日本は高いので、「人材育成」だけでは諸外国に太刀打ちできない、と指摘した。
さらに、別所氏は、「映画祭」という分野においても、クレルモンフェラン国際短編映画祭(フランス)では、クレルモンフェランだけではなく、世界中の映画祭のエントリーができるサイトを構築しており、世界中のクリエイターの情報を集約している、と指摘。いつもながら「熱い」別所氏らしく、「国護論」的な観点でも、(クレルモンフェランのように)日本に世界中のコンテンツの情報を集約して日本がコンテンツビジネスの国際ハブステーションになるような仕組みを構築すれば、日本のコンテンツ産業が海外に駆逐されることはない、といった提言をされていた。
 
電子図書館に関連する見解を講談社の吉羽委員が示したり、中村氏が全体的な意見をうまく整理して、次回の調査会への課題をとりまとめていたが、「実務家」レベルの委員と、津村政務官も含めた研究者・役人・弁護士・官僚・政治家の委員との間で、「実感」を伴う提言や「最新技術」に対する知見に差があって、ハイレベルかつ有意義な提言がなされても、全体的に「なるほど~」というだけで終わった印象は否めない。
 
最後に、角川氏から「別途ワーキンググループを」という意見も出ていたが、確かに、実務家、官僚、政治家すべての関係各位で、「知識」だけではなく、「実感」を伴う「危機感」を、より現実的なレベルで共有することが課題になるだろう。
投稿者 E&R | PermaLink | コメント(0) | トラックバック(0)
日本版フェアユース 最新情報
いわゆる「日本版フェアユース」規定の導入に関して、文化庁の文化審議会著作権分科会法制問題小委員会の2010年度第2回会合が、3月17日に開催された。
http://japan.cnet.com/news/biz/story/0,2000056020,20410733,00.htm

やはり、
焦点は「写り込み」の問題。
議事録を見ると、かなり高度な法律論が展開されているが、フェアユースの問題は、コンテンツ制作の「現場感覚」を反映させる法制度にしなければ機能しないだろう。

法制度化するにあたっては、このあたりの「法律論」と「現場感覚」をどう調整するかが鍵になりそうだ。 

<過去の四宮ブログ(UPLINK)>
http://www.webdice.jp/diary/detail/3590/

投稿者 E&R | PermaLink | コメント(0) | トラックバック(0)
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